【書評】西加奈子さんの「夜が明ける」で社会問題と自分の生き方について考えさせられる!

読書
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こんにちは、みかんマンです。

西加奈子さんの「夜が明ける」を読みました。

本屋対象ノミネート作です。

  • 若者の社会問題に興味がある
  • リアルな物語が読みたい
  • 辛い状況から抜け出したい

という人にぜひ読んでもらいたい一冊です。

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「夜が明ける」ってどんな本?【概要】

夜が明ける」は2021年10月20日に発売された本です。

全407ページなので、集中して読んでも【10時間】ぐらいはかかるかと思います。

私は4日かけて読み切りました。

ざっくりと内容を紹介すると、

  • 「俺」とアキの友情と成長を描いた物語
  • アキは吃音があり、ネグレクトされていた
  • 「俺」はテレビ制作会社に就職、アキは劇団に入団。2人は理不尽な環境で壊されていく…

という感じです。

ドキュメンタリーかと思うほどリアルな物語が描かれていますので、「俺」の過酷な労働環境を読んでいるときは正直心が苦しかったです。

そんな苦しい環境に置かれた2人に救いはあるのか、タイトル通りに「夜が明ける」ときは本当にくるのか、最後まで目が話せない一冊でした。

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著者の「西加奈子」さんってどんな人?

著者の「西加奈子にしかなこ」さんについて紹介です。

  • 1977(昭和52)年、 イランのテヘラン生れ。 エジプトのカイロ、 大阪で育つ
  • 2004(平成16)年に『あおい』でデビュー
  • ベストセラー「さくら」や直木賞「サラバ!」など著書20冊以上
  • 大のプロレスファン

特に「さくら」は私が大好きな小説の1つです。アツい家族のお話、こちらも読んでもらえるとうれしいです。

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「夜が明ける」における著者の主張は?

夜が明ける」では、『本書は著者が初めて、 日本の若者の生きていく上でのしんどさに真正面から取り組んだ作品』とあるように、「俺」とアキの友情、成長を描きながらも、苦しい労働環境や社会の風当たりの厳しさがリアルに綴られています。

始めは男同士の青春物語なのかと思って読み進めていくと、こんなに理不尽なことがあっていいのかと思うほど「俺」とアキの2人が追い込まれていきます。ネタバレになるので詳細は省きますが、相当取材や文献にあたって描いた「リアル」があります。

こんなに重い話を描いて読者を苦しめるの…?と思わず言いたくなるところです。

しかし、西加奈子さんの言葉を紹介すると、

あなたの人生は、あなたのものです

これは「誰か」の物語ではないのだと西加奈子さんは伝えます。

西加奈子さんの実体験を踏まえて描かれた今回の作品。

誰もが、私たち自身が状況は違えど「俺」やアキと似たような心苦しい思いをしている。

そんな思いをしている人たちを知っている。知らないふりをしている。

救いを求めようともがき苦しんでいる。

もう一つ西加奈子さんの言葉を紹介します。

みんなの夜が、明けますように。

リアルな物語だからこそ、真剣に受け止めることができる小説でした。

決して笑える作品ではありません。

それでも読み通して、西加奈子が願う夜明けを、力いっぱい感じてほしい。

余談、ネタバレしないよう書きますが、読了後には「あんべたくま!」って叫びたくなるはずです。

今回の紹介は以上です。興味をもたれた方は読んでもらえるとうれしいです。

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