
「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」
話題の本で、心に響く言葉がたくさんあるって聞いたよ!

話題のノンフィクション本だね!
5つの名言を紹介するよ!
こんにちは、みかんマンです。60万部超え、ノンフィクション本大賞はじめ11冠獲得の超話題作
ブレイディみかこさんの「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」を読みました。
英国在住の親子が文化の違いに悩み、乗り越えながら成長していく物語。
描かれる「事実」だからこそ説得力ある文章で、響く言葉がたくさんありました。
特にエピソードの「万国の万引きたちよ、団結せよ」は悲しいけどカッコいい。一つの象徴的な話。
今回の紹介をきっかけにぜひこの本を読んでもらえたらうれしいです。
また、私も海外留学した経験があるので共感できることもあり、最後に合わせて紹介します。
【名言5選&体験談】ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

1 「子どもはすべてにぶち当たる」
著者の息子さんは、いじめもレイシズムも喧嘩もある、英国の社会を色濃く反映したような元底辺校に入学することとなりました。
そんな学校生活にぶち当たっていく息子を見て、著者は「くたびれた大人にこそ勇気をくれる」と言います。
2 頭が悪いってことと無知ってことは違うから。知らないことは、知るときが来れば、その人は無知ではなくなる
息子と一緒に演劇でアラジンを演じる子が差別的発言をしたとき。
著者「こういうこと(古い差別用語)を言う大人が周りにいる。子どもは知らずに真似をしている」
息子「つまりバカなの?」
この問いに対する著者の言葉です。
ここで「バカだね」って同調しなかったことが、息子さんの人格形成にも良い影響を与えたことでしょう。
3 自分たちが正しいと集団で思い込むと、人間はクレイジーになるからね
貧しい家庭の子どもが万引きをする。その子を「犯罪者」「窃盗犯」と寄ってたかって集団でいじめる。
あれ、悪いのはどっちだ?って思いますよね。いじめる側の子どもたちがどんどんエスカレートする様子を心配した息子に、著者がかけた言葉です。
今どき、SNSで起きてますよね、似たようなこと。正義の暴走って恐ろしい。
4 多様性は、うんざりするほど大変だし、めんどくさいけど、無知を減らすからいいことなんだと母ちゃんは思う
人種、生活環境、宗教、国籍、様々な違いがある中で、あるからこそのトラブル頻発。「多様性が無いほうが楽、だけど楽してると無知になる」という著者の発言にはハッとさせられました。
実体験あってこその言葉。
5 どうしてどっちかじゃないといけないんですかね?
著者が学校見学に行ったとき、校長先生に「ブリティッシュ・バリュー(英国価値的価値観)」ってサイトに書いてあるけど今は「ヨーロピアン・バリュー」じゃないの?って質問したときの回答。
一つに決めちゃうから分断が起きるのではないか。
校長先生は著者に「僕は両方あっていいと思う」と笑って答えた。
かっこいい。
感想&体験談

読まないと知らなかった事実がたくさんありました
- 公立でも学校を選べる。
- 人気の学校に入学するには近くに住む必要があるから周辺の住宅価格も上がる。お金持ちほど学校を選べるので、貧富の差が広がる「ソーシャルアパルトヘイト」がある。
- 白人労働者階級を「ホワイトトラッシュ(白い屑)」と呼ぶ差別用語がある
- カトリック校は成績がよく、改宗して入学させる親もいる
- 小中学校に入学式や卒業式がない
ごく一部しか紹介していませんが、物語を通じて「文化の違い」を理解できるので面白かったです。著者の実体験なので「へぇ〜!!」と説得力ある生の声がたくさんあって印象深い本でした。
生々しい差別のエピソードなんかもあり、中には胸が痛む話もあります。でも、著者の文章力がすばらしく読みやすい、なんなら読後感は爽やかですらある。
個人的に印象に残ったエピソードは、
著者の息子が「チンク(アジア人に対する差別的な呼び方)」と言われたことです。著者も何度か言われた、イギリスに住む日本人なら1度は経験するという話。
この話を読んで「私も似たようなことを経験したな」と思い出したことがあります。ここからは私の体験談。
学生時代、オーストラリアに留学していました。オーストラリアも移民の国なので、様々な人種、国籍の人たちがいます。
ある日、車が横切った後に、「ペシャッ」と音がしました。
卵を投げられたんです。
これまたオーストラリアに行ったことがある人なら経験あるかもしれません。
日本人に卵を当てると幸運になれるとかなんとか…
私の住んだエリアは治安がよく、楽しく過ごしたのですが、やはり友人も「昨日卵くらったわー」って言ってたり
もちろん私たちが、卵を投げた人に対して何かしたわけではありません。彼らもふざけてゲーム感覚なんでしょう。普通にある。だから差別って、すごく深いところに根付いているなーって。
「みんな違って、みんないい」って言葉にするのは簡単だけど、実行するのはとても難しい。
「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」が大ヒットしていたり、「多様性」って言葉が一般的になったことには意味がある。
まだまだ「知る」ことって大事だなって気付かされました。
やっぱり「読書」ってすばらしい。こうして著者の体験をなぞって。
自分の経験を振り返ってまた考えて。
いいきっかけになる出会いでした。
「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」には続編もあるので気になった人はぜひ、合わせて読んでもらえるとうれしいです。